おでん芸の葛藤
2005年7月18日深夜、NHK『しゃべり場』の再放送を見る。
16歳の高校生が提案したテーマは『上下関係って必要ですか』
曰く“年下が年上の人に間違っていると言えない関係はおかしい”と。
10代の意見は概ね“必要無し”
討論の暴走を防ぐ為の著名人が必ず一人入るんだが、
論点がずれてる事を指摘するでもなく、そのまま終了。
提案した高校生は討論の後、意味が無かったとの旨の発言。
他人との関係、薄っぺらな感じするんですけど。
人との軋轢や摩擦って、人としての経験値になると思うんだけどねぇ。
で、
“ああ、もうプロレスは終わりだな”
と、思った。
プロレスは競技じゃないし、スポーツの範疇に入るモンでも無い。
“じゃ、プロレスファンってプロレスの何を見てるの?”
と、聞かれれば最後には、
“人の情念”
って言葉に辿り着く。
“バイオレンス”が見たければ映画を見ればいい。
“競技としての清々しさ”が見たければオリンピックや競技会で充分だ。
でも“心の闘い”が見たいからプロレスを見る。
プロレスがスポーツでもなく競技でもないと解って見てるファンの殆どは
“苦しさ”とか“嬉しさ”とか“楽しさ”とか“悲しさ”とか“切なさ”とか、
いろいろな感情を含んだ“心の闘い”を見てるんじゃなかろうか。
凄い技を見て、ただ凄ぇと感嘆するだけのものじゃないだろうと。
ただ勝負の勝ち負けを一喜一憂するだけのものじゃないだろうと。
他人とのいろいろな形の“濃い関係”を沢山経験すればするほど、
その“心の闘い”を感じ易くなると思うんだオレは。
“上下関係なんて必要無い”と断言出来ちゃう10代の子らが、
社会を動かす様になる頃、
“プロレスって何が面白いの? お芝居と同じなんでしょ?”
なんてのがフツウの意見になってるんだろうな。
きっとプロレスって無くなっちゃうよな。
今がおそらくブームの頂点の総合格闘技だって、きっと無くなっちゃうよな。
好きなものが“なくなる”って切ないよな。
橋本はいい時に旅立ったのかもしれないな。
そんな事を考えた夜。
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