負けを晒すと言う事

負けちまったなぁ、菊田。
　
民放の全国ネット。
　
破格の扱いでセミファイナル前。
　
地上波特有の、視聴者向けの煽り。
　
テレビじゃ、お前の言葉は
　
“ぶっ殺す”って所しか流れなかったよ。
　
　
不安だったんだよなぁ。
　
怖かったんだよなぁ。
　
でも、ゴールデンタイムにテレビに映る事が
　
物凄く嬉しかったんだよなぁ。
　
嬉しくて、でも燃えてて、
　
“頑張って奇跡を起こします”
　
って言ってたもんな。
　　
でも、そんな事はマニアしか知らない。
　
　
格闘技ブームと言われて久しい。
　
ファンが心配していた事は、
　
実力の有る、良い選手が
　
メディアに殺されてしまう事。
　
まさか、お前にお鉢が廻ってくるとは。
　
　
お前の後の、すんげえしょっぱい2試合のお陰で、
　
お前の実力がかき消されちゃったよ。
　
もう、お前は、
　
“あぁ、あのKOされた奴ね”
　
としか、覚えてもらえてない。
　
　
今はな。
　
　
また、一からやり直しだよ、菊田。
　
そのリスクは、解ってたもんな。
　
負けたら、どういう評価が下されるのか。
　
解ってたもんな。
　
強くなれ、菊田。
　
また、一からやり直しだよ、菊田。
　
また、一からやり直しだよ、菊田。

強くなれ、菊田。
　　
解ってたもんな。